英語学習者の方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
”TED”
Technology Entertainment Designの略でIdeas worth spreadingの精神のもと、様々な分野の第一線で活躍する人物を講師として招き、定期的にカンファレンスを開催しているグループ。TED Talksとは、その様子を動画配信しているプロジェクトのこと。
今日は数あるTED Talksのうち、私のお気に入りのトピックについてシェアしたいと思います。
認知科学者レラ・ボロディツキー氏による「言語はいかに我々の考えを形作るのか」
世界には約7000もの言語が存在し、それぞれに異なる音、語彙、構造を持っています。オーストラリアの先住民アボリジニのクウク・サアヨッレ族は、方向を示すとき「左右」という言い方をせず「東西南北」の方向で示すのだそう。挨拶にしても、「どちらの方向へ行くの?」と聞き、「北北東へ」という答え方をします。すると必然的に方角に鋭くなり、どこにいても自分がどの方向を向いているのか分かるようになるのです。かつて生物学的には、人間の方向感覚は他の動物より劣ると考えられていたので、これは驚くべき発見でした。
この事例から言えるのは、使う言語によって特定の認知能力に大きな差がでるということ。文化や言語が求めるのなら、それを可能にするということです。つまり私たちの思考は、自分たちが話す言語に影響を受けていることが裏付けられます。また今回例に挙げたような特定の能力だけでなく、色彩感覚や時間・数の概念さえも、言語や文化圏によって異なることが、プレゼンの中で語られています。
これらのことから導き出せるのは、言語や文化の数だけ物事の見方があるということです。
ひいては、他言語を学ぶことで多角的な視点を持つことができ、より豊かに世界を見ることができるのではないでしょうか。
言語はコミュニケーションツールです。
それであると同時に、私たちにたくさんの影響、いわば”gift”を与えてくれる存在であるのだと思います。
新潟エリア Y.T